ついやってしまうこと
お仕事の現場に向かう途中などのちょっとした時間に、つい足が向いてしまう場所があります。
それは “本屋さん” です。
ものすごい勢いで買いまくって家の本棚に入りきらなくなり、押入れに本があふれ返る状態になって、さすがに主人に何とかするように言われたことがあるほど。
なぜ、それほどまでに本が好きなのか?
紙の匂いが好きということもありますが、目の前の現実とまったく異なる世界にスーッと入り込めるところがいちばんの魅力です。
本にのめり込んだのは小学生の頃のことで、読書感想文のコンクールで角川文庫最優秀賞に選ばれたこともありました。
そういえば 小学生の時の不思議な体験を思い出しました。
当時、女の子の友達がいました。
彼女はハーフであることを理由に学校でよくいじめられていました。
家の近くの公園の前を通りかかると、彼女の声がします。
「ひとみちゃん、来て!」
「ひとみちゃんなら大丈夫、お話を聞いてくれるって天使が言っているから。」
そんな呼び止め方に誘われて、彼女の面白いおとぎ話を聞くのが大好きでした。
「あたしはある国の王女なんだ。」
「でも今ここへは勉強のために来ているの。」
「いつも寂しくないように天使が遊びに来てくれるんだよ。」
「ふーん、そうなんだ~!!」
真剣な表情で語る彼女のストーリーに、私は夢中で聞き入りました。
ちょうどその頃のことです。
あれは現実だったのかと今でも信じられませんが、小人(こびと)に二度も遭遇したのです。
最初は、外に出かけようと家の玄関で靴を履いているときでした。
視線が気になってそちらを見たら目が合いました。
そのときは、あらっと思った瞬間にどこかにササッと逃げていってしまいました。
あの小さいおじさん、なに?
そう思いつつも、なにかの見間違いだろうと思ってすぐに忘れました。
ところが今度はまた、お風呂に入っているときに突然現れたのです。
玄関で見たあの小さいおじさんがお風呂場の中を歩きまわっている!
私は思わず怖くなって泣き出しそうになりながら、とっさにシャワーをかけました。
彼はびっくりした顔で私を見ていましたが、ほどなくシャワーの水に流されて排水口に吸い込まれていきました。
それを最後におじさんは私の前に現れなくなりましたが、ほんとうに不思議な体験をしました。
さて、本の世界では “言葉” がいろんなことを発信しています。
写真やビデオとは違って、本には “言葉” から想像して自分だけの世界を創り出せる楽しさがあります。
泣いたり笑ったりする主人公の顔や姿を想像し、自分の好きなように背景を思い描き、勝手にワクワクする。
時間があるとき、つい私がやってしまうことです。
皆さんがついやってしまうことはなんですか?